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水へのこだわり
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摩周湖の水
人々を魅了してやまない摩周湖の色は、言うまでもなくその透明度からきています。摩周湖は注ぎ込む川がなく、雨がその水源のほとんどを占めています。そのため不純物が運び込まれず、プランクトンや粘土などの浮遊物が極めて少ない美しい水をたたえているのです。この天然に存在する水としては限りなく純粋な水が、あの藍を流したような深い独特の青色を作り出しているのです。
また、摩周湖には流れ出る川もありません。しかし、湖の水位はほぼ一定に保たれています。それはダムのように絶え間なく水を溜める湖が、自らの圧力で地下をくぐり地下水となり、わき出しているからなのです。変わらず豊富な水をたたえ続ける摩周湖は、およそ100年分の雨を保有しているという説もあります。私たちの生活に潤いを与える、その清らかで豊かな水脈は、日本で最後の水がめといえるかもしれません。
湖は環境の鏡
流れ込む川も流れ出す川もなく、高さ150〜350mにおよぶ深いカルデラ壁にすっぽりと包まれた摩周湖は、周囲の影響を極めて受けずらい環境にあります。とすれば湖水に影響を与えるものは、水系からのものではなく大気の状態が最も大きい要因といえるでしょう。摩周湖は、まさに世界的規模の大気汚染の状況を忠実に映し出す鏡なのです。地球の環境変化を知るモニタリング調査の対象となっている、世界でも数少ない湖の一つ摩周湖は、人類にとって貴重で尊い存在なのです。